ひぐらしのなく頃に解 言伝し編
【DL】ひぐらしオリスク専用アップロード掲示板 【作者】Can/Club 【ジャンル】シリアス 【総プレイ時間】40分

 主人公は妻子と共にX県にあるダム湖のほとりへ桜見にやって来た。
 初めて来る場所のはずなのに懐かしさを感じる主人公。
 家族と別れてあたりを散策していた彼だが、地元の住民に「ここの桜は咲かない」と言われてしまい……。

 皆殺し編が発売される前に書かれた作品ということで、ループ設定に関しても大災害についても作者様の考えで描かれています。なので、原作とは違い鷹野が大災害を起こすわけでもないですし、梨花が乗り越えようとしていた惨劇は「部活メンバーなどの雛見沢住民が狂うのを阻止すること」となっています。

 妻・娘と旅行に来ているというフレーズから、てっきり主人公は赤坂だと思っていたのですが、圭一でした。レナと結婚している設定だったのですね。成長した魅音は格好良いですが、自己紹介されるまで茜さんだと思い込んでいました。姐さんの風格に騙された(笑)

 綺麗に終わったオリスクですが、いくつか気になる点が。まず、梨花はこの時間軸ではどうなっているのでしょう。生き残り幸せになるためにダム工事を促進したのに、謎の空間で一人暮らしているようなのですが。それとも元は資料館で過ごしていたけれども、圭一の訪問後は娘に生まれ変わったというような、超常設定なのでしょうか。
 次に、魅音が「友達の形見だった」と言ってオットセイのキーホルダーを出していましたが、圭一と魅音は大人になってから初めて会ったのでは。魅音も別のループ世界の幻だったのでしょうか。それともキーホルダーは別の人の物? 後者だと意味が分からない気もしますが……。
 あと、字下げ・「!」「?」の後の空白がなかったのが少し気になりました。

(※4/13追記)
 先日、この文章を書いた折、気になった謎について作者様にメールをいただき(!)教えていただけました。

 魅音の持っていたオットセイの人形については、梨花が昔を懐かしみながら真似て作ったものだとのことです。本編の「手作りなのか、市販品にはないどこか歪な形をした人形だった」という文章がこの伏線だったわけですね。そこまで思い至りませんでした。梨花、器用な子……!
 また、娘の名前も梨花ではないそうです。「パパ、ぼくのことよんだ〜?」で、てっきりそうだと思い込んでいました。古手梨花は、圭一がやって来た時点で、病気により既に死亡しているとのこと。圭一が梨花と過ごした謎の空間は、成仏するまでのあの世とこの世の境のようなものだったのでしょうか。

 特に気になっていたオットセイの人形についての解が得られて、すっとしました。わざわざ教えて戴いた作者のCan/Club様には改めて感謝、感謝です。ありがとうございました!

 作品のテーマは終盤、はっきりと描かれます。幸せと感じているときはかならず周囲の人の助けがあるということ、退屈だと思うような普通の日常がいかに大切かということ。これらのことは納得できましたし、大事なことだと思いました。

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